ハムバッカー背面のスタンプについて


グレコ・ギターにマウントされたハムバッキングP.U.に見られる、背面に押されたお馴染みの「番号(記号)」について最新の考察を記しておきます。この項の内容が通じるのは「1982シール」以前の物、主に1970年代のピックアップと考えて下さい。

結論を先に書いちゃいますね・・・。5〜6桁からなる問題の番号は、回路が組み込まれた場所と年月日を表した「記録」になっていると判断されます(ディマジオP.U.にもグレコ側がスタンプを押しています)。

手元の「15.22」を例にとると・・・
●最初の1桁目が「場所」。ギター本体と照らし合わすと「1」がマツモク工場、「2」が富士弦工場という区別が浮かび上がってきます(後日、このポイントはハズれと判明)。
●2桁目は西暦で表した年号の下1桁です(例では1975年)。
●3桁目は「1〜0」に「.」と「X」を加えた12文字で「月」を表しています。
(「.」と「X」については11月・12月のどちらになるのか調査中)
●4〜5桁目が、01〜31で「日」を表す部分です。

ヘッド裏の「製造番号」とP.U.のスタンプを引き合わせたり、示される年月日を万年カレンダーで「曜日」まで調べてみました。ギターの製造番号が示す「出荷月度」とスタンプの日付は極めて近く(ほぼ一致する)、スタンプは組み込み時に押されたと考えるのが妥当です。一部のギターでは、P.Uにある日付の方が遅い場合すら確認されています。日曜日や祭日、年末年始・夏期休暇などの日付はP.U.スタンプに出てきません。また、グレコの組み込みは月の下旬に集中することから、他の期間には他ブランドの作業が行われていた可能性があります(他の期間をシングル・コイル機やベースがメインかとも迷いますが・・・)。

手元の「281014」を例に・・・
スタンプは1977年の前半に6桁化されています。「旧3桁目」にあった「.」と「X」が廃止され、「月」を01〜12の数字のみで表すようなった結果です。この変化は、製作工場の体制に変更があり「1」がダイナ楽器、「2」が富士弦工場となったのと同時に起きたと考えています。スタンプは「富士弦工場1978年10月14日」ということになります(後日、6桁番号の1桁目も確信がなくなりました)。

工場が違っても、グレコが認めた品質にある点は言うまでもありません。
このページ、皆さんからの異論・異説など情報をお待ちしています。随時更新させていただくつもりです。






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