1977年製 Greco プロジェクトシリーズ EG1200
(おやじレポート by グレコおやじ)

カーリーメイプル2ピーストップ、マホガニー2層合板バック、メイプル3ピースネック、縞エボニー指板、ピックアップU4000、グローバーペグ、ヴァイオリン仕上げ、重量4.6kg。

'76年からカタログに登場したEG1200だが、そのコメントには手工品と書かれており、ヴァイオリン仕上げと言うエレキギターではあまり使われない塗装が施された。
塗料はラッカー、カシューよりも柔らかいニスを使用し、独特の色彩と質感をかもし出していた。
プロジェクトシリーズに使われたこの塗料は、外気に触れ蛍光灯の光だけでも経年変化し良い色合いに退色して行く。
このギターも直射日光には当てていないが、かなり退色しておりテールピース、ピックアップ・エスカッション、トグルスイッチのプレート等、パーツを外すと元の色が確認出来る。
各年代プロジェクトシリーズのEG1200/1350/1500で殆どにこの現象を確認しているが、'79年製の物だけは塗料が変わったのか、偶然なのか分からないが、退色を確認出来た個体は無い。
元の色はかなりブラウン色が強く27年前の発売当時は、ショーケースの中に飾られたEG1200を見て「なんと爺臭い地味な色なんだ! こんな変な色誰も買う訳無い」と呟いた事を思い出した。
それが今では「なんと渋い色だ!」と感じるようになったのは、爺様になった証拠であろうか・・・。
さて、本機でもヘッドには別項の'76年EG900と同じ書体のロゴが入るが、使用している貝が虹色に輝き、指板ポジションマークもアバロン風な貝を使用しているのが分かる。
3ピースのメイプルネックにはトラ杢材を使用し、トップは派手な杢は無いものの柾目に採られた綺麗なメイプル材がブックマッチで使用されている。
フロント・ピックアップ・キャビティー内には○の中に「力」のスタンプがあり、この印は'77年のEG1200/1350/1500の機種で複数確認しているのだが、製作者の個人名なのだろうか?
プロにも愛用者が多いように、このギターにクォリティー以上の何かがあるような気がするのは私だけだろうか? '70年代のコピー・モデルを語る上で絶対に外す事の出来ない1本である。








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