1977年製 Greco プロジェクトシリーズ EG1500
(おやじレポート by グレコおやじ)

カーリーメイプル2ピーストップ、マホガニー2層合板バック、メイプル3ピースネック、縞エボニー指板、ピックアップU4000、グローバーペグ、ヴァイオリン仕上げ、重量4.6kg。
1977年、グレコギターの中では最高価格の15万円だったEG1500はその当時楽器店のショーケースにギブソンと一緒に展示され、その価格から買えるはずもない学生達(私)は試奏さえも断られ、触る事すら許してもらえなかったモデルである。
買えない悔しさもあって「何が、ニスの手塗りだ! 家具じゃあるまいし」と思っていたのだが、事実当時の色は駄菓子屋の麩菓子色であり、誰がこの20年後の退色を予想しこの色合いを想像出来ただろうか? EG1200同様に各パーツの下には元の色が確認出来、ピックガードの下にも元の色が形通りに残っている。
ヘッドの突き板部分ではクリアの日焼けが進み、太文字のGrecoロゴやスプリットダイアモンドが金色に輝き美しい。
'77年までのメイプル3ピースネックは非常に細く(薄く)1フレットと2フレットの中間での値は「厚さ20mm」「幅44.5mm」「周囲111mm」で11フレットと12フレットの中間でも「厚さ23mm」でこの値は別項の'76年EG900、'77年EG1200も共通である。
'78年からは、ネックも若干太くなり、'79年には材質がメイプルからマホガニーの3ピースに移行し、材質の変更に伴いネックシェイプも太く変わって行く。
指板はカタログではエボニーとあるが、実際はプロジェクトシリーズEGモデルではハカランダと間違えるような上質な縞エボニーを柾目採りで使用しており、レギュラーラインとの格差をつけている。
フロントピックアップキャビティー内にはEG1200同様に○の中に[力]のスタンプがあるが、当サイトオーナーの狛江のグレコマニア氏からは「神田商会の[力]かも?」の説があり、国産嫌いの友人は「カスタムショップの[力]」と推理している・・・。
最後にレギュラーラインとプロジェクトラインEGモデルの一番の違いはなにか? それはネックの接合部にある!
レギュラーラインのネックヒール部には接ぎ板が使用され、メイプル3ピースネックも実際は4ピースになっておりピックアップキャビティーから接着面を見ると隙間がある機種も存在する。
この接ぎ板工法はEGモデルに限らず他のグレコセットネックモデルでも採用されているが、他社にも同様な工法が見られる。
剛性の為では無くコスト的に有利な接ぎ板工法は'79年迄続き、'80年のスーパーリアル期からは廉価版のEG500でさえも接ぎ板は使用されなくなった(初期物には混在する)。
しかし'82年のミントコレクション期のディープジョイント以降のモデルで接ぎ板工法は復活してしまうのである。
プロジェクトラインEGモデルでは接ぎ板の使用は無く、ボディー/ネック/指板がキッチリと隙間なく接着されている。
今回EG1350は私の趣向で無い為に手放してしまいレポート出来ないが、プロジェクトシリーズEGモデルは何れも本当に良く出来たギターである。









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