EGFのネック周りに関する観察(おやじレポート by グレコおやじ) 今回はネック、指板、フレットを見てみたい。 まずネックだが、'79年後期スーパーリアル発表当時は旧仕様の3Pマホガニー・ネックが備蓄材消化の為か廉価版機種で使用されており、EGF850でも3Pマホガニー・ネックの混在があった。 1P材になってからのネック形状は、旧3P材と同形状で当初作成されていたが間も無く形状の変化が始まり'81年迄は段々と太く、'81年から'82年にかけては再度細くなって行く事が今回の計測で分かった。 私は当初、「EGF1200はネックが太くその他の機種は皆同じ太さ」と言う観念があった為にデタラメな文章を書いてしまったが、その後各機種のネック計測を行った結果の新発見となった。 ネックの数値計測したのは'79年〜'81年のEG480からEGF2500までの約50本で、全てヘッドにスーパーリアルの文字が入る1Pネックの物。 計測個所は1F−2F、11F−12Fの中間で幅/厚さ/周囲を測って見た。 機種別にどんな特徴があったかと言うと、EG480〜EG700とEG800(GS)〜EGF2500のネック形状は少々異なりEG700以下のネックはEG800(GS)以上の機種より細く、一番細かった機種は'80年EG700のシリアルNo1000番台で1F−2F間で幅44.5mm/厚さ21mm/周囲112mm、11F−12F間で幅52mm/厚さ24mm/周囲130mm。使用感は旧3Pマホガニーネックの形状に似ており機種別の特徴は無かった。 計測したEG480〜EG700はヘッドにスーパーリアルの文字が入ってはいるのだが、やはりカタログ上のスーパーサウンド・スーパーパワーのクラスでありEG800(GS)以上のスーパーリアルとは異なるネックで製作されていたようだ。 一方EG800(GS)以上のモデルでも機種ごとの形状に違いは無いのだが、製作時期による形状変化が分かった。 一番細かった機種は'80年EGF1800のシリアルNo200番台で、1F−2F間で幅44.5mm/厚さ22.5mm/周囲115mm、11F−12F間で幅52mm/厚さ25.5mm/周囲133mmだった。 その後シリアルNo.を追う毎に段々太くなり'80年9000番台〜'81年1000番台辺りが、1F−2F間で幅45.5mm/厚さ22.8mm/・周囲116mm、11F−12F間で幅53mm/厚さ25.5mm/周囲134mmと一番太くなっている。 その後'81年3000番台辺りからは逆に段々細くなりミンコレ期に移行していくようだ。 数万本発売された中のわずか50本のデータなので頼りないが参考にして戴きたい。 また、データに合致しない個体もあった。 それは'81年3000番台のEGF2500とEGF1200の2本だが、同時期製作の一般的な物よりネックが細く、EGF2500はショップオーダーで2本発注された物だったので「細目のネック」とオーダーされたのだろうか? もう一本のEGF1200はO切れのロゴスタイルではなく、ロッドカバーも釣鐘型なのだが早くもミンコレEG58−120として販売されており、黄色いバインディングと1982DRYのP.U.等の他に、ネックまでミンコレ仕様として製作されたようだ。

'80年初期EGF1800の指板。フレットは交換でオーバーバインディング状態になった
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次に指板だが、'80年のカタログ上ではグレードとしてEGF850以下にはローズウッド(インディアンローズ)、EGF1000以上にはハランダ(ブラジリアンローズ)となっているが、実際はEGF850でもハカランダが使用されていたり、EGF1800でもローズウッドとしか思えない材が使われて場合がある。 これも製作時期に関係があり、'80年初期には在庫ハカランダ材が豊富だったのかEGF850にもハカランダが多く混在され、特にEGF1800には上質の物が使用されている(EGF1200は未発表)。 その後EGF1200発表時期のシリアルNo.5000番台辺りからは、確実にハカランダと見える指板はEGF1200と1800のみになり、'81年なってからはEGF1200でさえもローズが混在し始め、'81年も中期になると今度はEGF1800にもローズが使われ始めている。 また、カタログ上でも('81年中期作成)'82年ミンコレカタログではハカランダ(ブラジリアンローズ)の文字は消えてしまった。 やはりハカランダ材の大量入手がこの時期既に困難になっていたのだろうか?

板目にとられた特徴ある木目
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2回のフレット打ち換えで指板は薄くなった
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最後にフレットを見るが、特徴的なのはEGF1200のフレットで他のモデルと比較すると非常に細く、EGF1200のサウンドが他機種と異なるのも細目のフレットが要因ではないだろうか? EGF1200以外の機種では'79年以前のEGモデルと同じフレットが打たれていたが、'80年後期からは新しい形状のフレットが打たれ始める。 従来のフレットと太さは同じなのだが、断面的に言うと三角形と思えるようなフレットに変更されている。 また、同時期にネック・バインディングのサイド・ポジションマークも一回り大きくなり始めている。 この他にもスーパーリアルは製作時期により細部に変化が見られるようだ。 次回はネックジョイント部、PUキャビティー内のレポートを予定している。

左は'81年EGF1800。右が'80年EGF1200
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EGF1200のフレットはかなり細い
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サイドマーカー大型化が確認できる
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