GOll700(J78)の資料

このページに収録したのは、GOllとして最も古い製造番号と考えられる「J78」を持つ2台。この画像を見ていくと意外なことに気がつく。T.S.ビブラートが付いたナチュラル機で、トレモロ・キャビティまわりが一般のGOllとかなり異なるのだ。掘削部が縦に長く、カバー・パネルを面揃えに落とし込む加工がされていない。これは本来、増設用()のパネルで閉められていたと考えられる。




その一方、コントロールキャビティー部の加工やパネルはよく見掛けるスタイルで、2台とも落とし込みのクローム・メッキ金属パネルだ。別項のGOll700DSでこの部分を開けると、パネルはノイズ対策のホイル張りにアースが落とされている。そうすることがシールド効果を狙ったときの常識だ。ところが2カ月後の製品ではパネルがプラスチック製になっている。「Japan Vintage」に掲載されたGOll700RTもアイボリー色のプラスチック・パネルが使われているようだ。これは2枚お揃いで見栄えの良いパーツを、手配・発注するが遅れた結果と考えるしかない。




これらの事を総合すると、どうやらGOllというモデルはノントレモロで開発されていたようだ。「選考・楽器フェア」用カタログで、GOll750が見慣れないリアP.U.角度の一本だけだったことも気になる。スルーネックをトレモロで切断するのには決意がいるだろう。選考会の結果落選してしまった様子のテンション・アジャスター・ブリッジは、ごく少数のブローラーにも搭載されていたなど、数奇な運命をたどった部品に思えてならない。初期T.S.ビブラートでは、アームグリップが金属製だったのは良く知られている。この質感はGOllやブローラーにベストマッチとは言い難い。金属製コントロール・パネルを持つ、ミュージックマンのギターに合わせてあったとするのは想像が過ぎるだろうか? 「T.S.」は流通側の方のイニシャルであり、メーカー・サイド主導の開発でなかったことは明白。リンクのT.S.ビブラート・プロトが搭載されたのはミュージックマンのギターであり、取扱説明書のバックパネルはキャビティより小さい。この時期のグレコ・ギターには興味尽きない「謎」を感じ続けている。



(このページの画像は奈良のMr.Brawlerさんからお借りしています)




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