GOlll 1800(1979年)


カタログに掲載されたGOlllは、1300に設定されたホワイトを除けば全てがナチュラル・カラーに仕上げられている。「Guitar Graphic」と題された印刷物に掲載された、シースルー・レッドの1500は例外中の例外だろう。一方、中古市場を見渡すと1500クラスでホワイトの個体も少なからず出回っているのだが、左のギターは1800に準じた仕様のギターだ。艶消しのホワイトが経年変化で大きく黄変する中、まず目につくのがセンター・ピックアップ周辺のリングだろう。これを外すとキャビティのザグリはディマジオSDS−1に合わせ、ストラト型ピックアップ向けのような形状になっている。これだけでは1800クラスとする根拠は弱いが、ペグを外して確認したところマホガニーを主体とする材でネックが構成されており、指板は明らかにハカランダが使用されている。さらに、ドット型のポジション・マーカーもメキシコ貝によることから、木部がGOlll1800として作られたものであると判断した。1800の特色である、パーロイド・ノブのイバニーズ・ブランド・ペグは採用されず、1300と同じくグレコMH−900Gが取り付けられている他、アジャストロッド・カバーも中級モデルと同じ金属製「Speed way」のタイプ、ヘッドロゴも1300と同じくメキシコ貝のインレイとなっている。これらはコストダウンのためなのか、ホワイトのボディーカラーにコーディネートしたものなのか判断が付けられない。アイボリー・カラーのセンターP.U.マウントリングには手作りの痕跡さえ見てとれる。配線は後期型タイプで、P.U.はフロントからグレコSX−1、ストラトタイプ(オリジナル)、ディマジオ(ノン・オリジナル)。ミニSWはP.U.交換の際に改造追加されたものだ。木部を削り込むうちに、シミや節が現れるのは良くあること。これは、そういった材を塗りつぶし仕上げとすることで、製品として出荷できるレベルに仕上げたイレギュラー品なのだろうか? ハードケースは角形落とし込みの高級機用が付属し、3枚のバックパネルもブラックメッキ、ヘアライン仕上げの金属製と、コストがかさみそうな特色は失っていない。とくに黒い金属パネルは、レギュラーとなったGOlll中級機以上の大きな特色だろう。重量は4.4Kg(弦・アーム込み)だが、トップがハワイアン・コア、ウォルナット、パドゥークのどれかは全く不明。(画像のアームは他機からの流用)


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