C80(1980年3月期出荷)の製造番号を持つこのギターは、まず間違いなくGOlll生産最終期のものだ。GOlllは発表時に1800/1500/1300のラインナップだったが、これでは余りに高価すぎ即座に廉価版発売が決定されたと見える。700グレードのものが1979年末〜80年初頭に素早く市場へ登場した。コストダウンのためスルーネックを廃しメイプル3ピースネックとなったほか、ボディについても3ピース・メイプルトップと3ピース・マホガニーバックを、2枚のウォルナット板でまとめあげる新しい構造が採用された(重量は弦・アーム込みで4.1Kg)。さらにブラックのヘッド化粧板、艶消し塗装の廃止、クローム・パーツの採用、各部のプラスチック製カバー、アクリルのポジションマーカーなど全体にシンプルなルックスなっている。ピックアップが1300と同じくSX−1×2、PU−250なのは良心的と感じられるところだ。ボディー・カラーはカタログ上ナチュラルしか設定されなかったが、材料を削る途中でシミや節など見栄えの悪い部分が生じるのは良くあること。画像の濃いサンバーストはオリジナルの塗装なので、ボディ周辺部の「何か」を隠すために塗られたイレギュラー品と推測される。一般のGOlll700はややオレンジ色(GOlllアクティブ参照。但しそちらは艶消し塗装)を帯びているが、これは生産された1800にハワイアン・コアのものが多かった影響だろう。700をベースにアクティブ仕様の他、アイビーインレイ仕様(GOlll900?)も販売されていた。GOlllが非常に短命なモデルであったのは、1300〜700の間に多くの「ショップオリジナルGOlll型」があり既にある程度出回っていたことや、時代の流れ(若年層の楽器離れ)、音楽傾向の変化(ダンスミュージック、ニューウエイブの台頭)、加えて「ビンテージ・ギター・ブーム」の影響も大きい。この後にパドゥーク・ボディのGOlll1500がアナウンスされたものの、その姿を市場で見掛けることはなかった。数年おいてから処分品とされたGOll700で、GOlllエスカッション+ノーマル・タイプ・ハムバッカーのギターを見たが、GOlll自体の生産は静かに幕を閉じていったようだ。 |