GOBll 次期モデル プロトタイプ(1980年?)


怪しげなタイトルを付けてしまったGOBll。一瞬、ブギーベースかと思うような見慣れないルックスだが、ヘッドにモデル名が書かれているので間違いなくGOBllだ。そもそもGOBllは時期により3種類ほどのボディ・シェイプが存在したことから、人によって頭に浮かぶイメージが大分異なることと思う。左に紹介するベースは「プロト」とした通り市販されなかったモデルなので、なおさら強い違和感をもたれることだろう。しかしピックガード、金属製コントロールパネル(ミュージックマンからの影響が感じられる)ともオリジナルの物で、もちろんどこにも製造番号が入れられていない。ナット、ブリッジに関しては明らかに近年交換を受けたものだが、21フレット仕様のネックと3角形のアジャストカバーにご注目願いたい。このスタイルのベースが記録に残されているのは滅多に目にしないが、Vol.13カタログのエンドーサー紹介ページを見て欲しい。4人ほどのベーシストが、同時期製作と思われるプロトを手にした写真が掲載されている。ピックアップ数、コントロール・レイアウト、総フレット数はバラバラながら、次期モデルと考えるべきベース群は確かに開発中だったようで、各人のライブやテレビ出演でも使用されていた様子がうかがえる。私自身、このベースについての判断を今まで出来ずにいたのだが、ようやくと現物を手にし観察したことから「GOBll次期モデル」との確信を持つに到った。これらのプロトたちから「スルーネック」の特徴が見られないのは特筆すべき事だろう。「24フレット・メロディアス・スピードウェイネック」のコンセプトは、この段にいたって諦められていたとしか考えられない。画像のベースももちろんセットネックだ(メイプル3ピース)。ボディはセンまたはアッシュの単板1ピースで非常に軽量、ハカランダかと見まがうような指板を持っている。ディスコ・ブームやウォークマンの登場で音楽の楽しみ方が変わり、1970年代末から楽器市場に深刻な不況が訪れたと聞く。また1982年には神田商会、山野楽器、富士弦によりフェンダー・ジャパンがスタートした。その流れからグレコのギターは地歩を失って行ったのだが、もしGOllシリーズが継続して生産されていたら、第二期モデルとしてピックガード仕様のギターが作られたのかと想像が膨らむばかり。1979年の楽器フェアに展示された5弦ベースのプロトとともに「幻のモデル」だろう。余談になるが、1983年6月に発売され、大ヒットを記録したThe Alfeeの「メリー・アン」。この時期のTV出演でベーシストの桜井氏は、GOBll後期型プロトを手にしていたことがある。6月23日放映分の「夜のヒットスタジオ」では、メタリックブルー・マッチングヘッド、PJタイプ・ピックアップ、メイプル指板21フレットのプロトで楽曲を披露した。(このベースにはブリッジ交換があります)

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