1977年製 Greco プロジェクトシリーズ SE1000
(おやじレポート by グレコおやじ)

シャーラー製ペグ、ハードロックメイプル1ピースネック、セン1ピースボディー、ピックアップPU119×3、アルミ製ピックガード及びバックパネル、下地からのラッカー塗装。重量3.2kg。

1976年に発足したプロジェクトシリーズは、その時代をリアルタイムで過ごした私にとってスーパーリアルシリーズ以上に思い出深い(苦い)モデルである。
プロジェクトシリーズでのストラトタイプのコピーモデルには当初、SE700・800・1000・1200(全てスモールヘッド)の4タイプがあり全品専用ハードケースが付属した。
その後SE700・800はレギュラーラインに移行し、最終的にはSE1000・1200の2機種になった。
受注生産の為に店頭に在庫していないモデルは、オーダーシートを使い楽器店経由でメーカーにオーダーする仕組みになっていた。
時代背景はレスポールコピーはグレコ、ストラトコピーはフェルナンデス、金があったらナビゲーターと言う定説が流れていて、事実フェルナンデスFST−105やナビゲーターのハンドメイドモデルの出す音は、グレコのストラトコピーモデルとは格段違っていたのだが、私は「もしや新開発のプロジェクトシリーズなら、グレコのストラトモデルでも良い音がするかも? 専用ハードケースも付属だし、オーダーシートに詳細を書き入れメーカーに発注すると言う事も魅力だ!」と1977年にプロジェクトシリーズをオーダーした。
オーダーした物は本機でなく、SE700のローズ指板でブラックのボディー。約3ヶ月後入荷の連絡があり、コツコツとバイトで貯めた金を持ち楽器店で渡された物は・・・
デカヘッドのSE700、ハードケース無し、3プライのピックガードで目の前が真っ白になった。
これは違うと談判するも「ヘッドの大小、ピックガードの選別記載漏れ」等と押し切られ泣く泣く家に持ち帰り弾いたのだが、ナットの切りがかなり甘い他、ネック左右の角度も悪く1弦が7Fで落ちるわで「あぁFSTにしとけば・・・」と感嘆した。
その後も1976年製のSE1000(初期物合板5ピース)を入手したが、やはり「ストラトコピーはフェルナンデス」の定説を認めざるを得ない音だった。
「グレコのストラトコピーは最悪!」と思い込んだまま約20年が経過した時に、'78年製1ピースボディーのSE1000を入手。私が思い込んでいた最悪の音を言葉で表すならば「ガサツ」「ブーミー」だが、この'78年製SE1000を一言で表すならば最高の音「メロー」であった。
「メロー」?どんな音か他に表現出来ないのだが、ジミヘンのリトルウィングのイントロを思い浮かべて欲しい。
初期のカタログ、雑誌広告ではボディーのピース数は記載が無く、2ピースボディーの写真を使用しているSE1000の雑誌広告もあるが、実際は'76年合板(表裏合計5ピース)、'77年初期単板2〜3ピース、以後単板1ピースボディーに移行したと思われる。
さて、本機はその「メローサウンド」に惚れて入手した'77年製中期モデルであるが、これもボディーはセン1ピース。カタログ通りのハードメイプルネックには、画像では分かりにくいが杢も浮かび、レギュラーラインではありえない下地からのラッカー塗装である。
内部詳細は別項の'78年製SE1000のレポートで明らかにしたいが、私も分解した事がないので楽しみである(後日の分解画像)。
レギュラーラインの物でネックジョイントに[N]ナチュラル・[S]サンバースト・[V]ヴァイオリンフィニッシュ等の記号は過去確認しているがそれ以外の何が出てくるか?
知る人ぞ知る「○力」(円形の中にカ?・力?のスタンプ、マニア用語で「丸か」・「リキマル」)の暗号解読なるか?



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