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GOlll型 ロックイン・オリジナル:ROCK INN S-900(1979年)
H79(1979年8月期出荷品)の製造番号を持つギター。アジャストロッド・カバーは新星堂オリジナルとなっており、プラスティック製のものが取り付けられている。これは表側がアイボリー、内側が黒の2プライで「ROCK INN」のロゴが彫り込まれたものだ。この時期にはまだ「GOlll」という呼称はなかったので、「新星堂オリジナルGO」として販売されていたモデルだろう。カタログ・モデル以外のスルーネック機には「セントップ仕様」が多いが、これはどうもメイプルトップのように見える。完成型GOlllに近づいたとも考えられるが、残りの2層については材の種類を非常に判断しにくい。センター層には、このころ他メーカーによくあった「シルバーハート」のような質感を持った材が使われている。すでにレスポール・コピーモデルについては相当な経験を積んできた頃の生産なのだが、ここではトップ左右のマッチングにつて全く何も気を使わず生産された様子が伺われるのも面白い。6弦側は、板目に取られた木目と杢とが複雑に絡み合い、非常に美しい表情を浮かべるのだが、一方の1弦側部材はいたってシンプルな印象である。ネックも6弦側の材がかなりのトラ目なので、弾いている本人から見下ろすと相当にゴージャスに見えるギターだ。ハードウェアについては別項の「GOlll型ダークステイン」とほぼ同じ特徴で、やはりブラスナットが採用されている。GOllやブローラーではアームロックナットの頭部がフラットな物が見られるが、GOlllでは全てがドーム状頭頂部を持つ部品となっているようだ。ロータリーSWの配線は変更があったようで、左からF、M、R、F+M、M+R、F+Rとなっている。以前からGOlllは配線によって「前期・後期」の区別が出来るとの説があったが、意外なことに何と「正式発表前」に後期型へ移行してしまったことが確認できる。「前期型配線」のGOlll型は著しく数が少ないのかもしれない。重量は、弦・アーム込みで4.0Kgだ。
このモデルに関して新たな情報を得たので追記しておく。新星堂は創業30周年を記念して、1979年6月25日販売開始のオリジナル・モデルを予告した。モデル名はROCK INN・S-900(定価9万円・限定50本)だ。告知広告にはプロトタイプらしき写真が使われ、このページのギターとはやや異なる特徴を持つものの、いわゆる浅野型GOlllタイプのギターであった。プロトタイプは黒ヘッドに孔雀インレイ、金属製専用アジャスター・カバー、プラスチック製ナット、メキシコ貝ポジションマーカー(オーバル型)、センターピックアップ・マウントリング、ストラト型センターP.U.(スタッガート・タイプ)、ロータリーSWインデックスパネル、前期型T.S.ビブラート、7ピースネックの特徴があった。その一方、製品仕様では5Pネック+セン削り出しトップとなることが明記されている。以前の文章で「メイプル or セン」を迷った書き方をしたが、どうやらこれは「個性的」なセンということらしい。H79(1979年8月期出荷品)のギターは、7月20日頃から出荷される慣わしが当時あったと聞く。画像と全く同仕様(ほぼ連番)のギターを確認しているので、この項のギターがS-900市販モデルである可能性はかなり高い。販売は全国の新星堂のうち、指定の18店舗に限定されていた。