玉野さんご愛用のGOll


このページには玉野さんが使用中のギターを一気に7本収録した。まずは最上段のGOll700に注目いただきたい。ナチュラル・ボディにローズ指板、ダークステイン・ボディにメイプル指板が組み合わせられたトレモロレスは、両方ともカタログにすら写真掲載がなかったタイプだ。カタログには、3色(N、DS、R)のカラーがあり、T.S.ビブラート仕様、テンション・アジャスター・ブリッジ仕様に加えて、ローズ指板かメイプル指板かが選べるラインナップで紹介されていた(全部で12バリエーション)。はたして12種全部が存在するのかは長らく謎だったが、徐々に「GOの戸籍簿」の空白部分が埋まりつつある。GOllの生産時期には「断層」があり、トレモロレス、R(レッドサンバースト)、上段2本に見られるボディ色/指板の組み合わせは「1978年モデル(J〜L)」にしか存在しないようだ。なお「戸籍簿」では、まだ「A79〜C79」のGOllが収録されていないが、「A79」のGOll750DST/Rを確認しているので、製造番号上の西暦年とバリエーションの変化が完全には一致しない可能性も残されている。




GOll700N/M(J78)

    


GOll700DS/M(K78)


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GOll700DS/R(L78)



玉野さんのメイン・ギターは左上にあるGOll700N/M(J78)。オリジナルに対するこだわりはないとのことで、1ボリューム仕様に改造されている。このページの画像は他にも一部ノン・オリジナルの部分があることを付記しておく。これだけの数のGOllを弾きこまれた経験から、ネックや指板の形状については詳しく報告を下さった。'78年のノン・トレモロ機は全般にネックが薄い。これに対し'79年のGOll750/550では、幅はほぼ同じだが顕著にネックが厚い。またローズ指板はサイドのエッジが丸く、メイプル指板では相当に角張った印象がある。「I79」のGOll750DST/Rでは、明らかに指板のRがキツく、玉野さんの好みからは外れているとの内容である。GOllではビブラート・ユニットの変化で前期型/後期型が区別される傾向があったが、「F79」のGOll750NTではむしろフラット指板という印象があるので、GOllの進化は想像以上に多岐な展開があったと考えている。殆ど知られていない件になるが、初期型と判断されるGOllは後のものより2センチほども全長が短かったりする。ここまでの3本でも「L78」は改良型と見受けられる。1弦側カッタウェイとピックアップの感覚、6弦側ウイングとネックの接合位置に注目して欲しい。ネックが長くとられ、ハイポジションへのアクセス性が改善されている。




GOll750NT/M(C79)




GOll750DST/R(I79)



GOll550については22フレット仕様であることの他、カッタウェイ内部の形状が角張っておりハイ・ポジションでの演奏性はスルーネック・モデルよりやや劣るという。ピックアップ位置がGOll700とは異なるので、ネック構造の違いも含めて生音/出音と共にかなり違ってくると玉野さんの報告があった。下の2本では塗色が大きく異なるのに加えて、ビブラート・ユニットの材質が異なるので、GOllのバリエーションが果てしないものに感じられてきてしまう。




GOll550ST(E79)




GOll550ST(I79)


(撮影:玉野さん 文:狛江のグレコマニア)




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